50周年記念誌
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 生活者の日々の生活をトータルに包む「総合生活提案企業」を目指し、物販のみならず文化・サービス事業面の拡充を目指していたフジは、新松山店をオープンするにあたり、大規模かつ壮大なイメージを「グラン」という言葉で象徴した「フジグラン松山」と名付けた。「グラン」は英語の「GRAND」であり、「大きく、壮大に、立派に」を意味する。つまり「地元松山市民の生活を〝GRAND〞に支えるフジ」を表明し、かつ口調の良さからフランス語風に「グラン」と発音したのだ。また松山の玄関口の一つであるJR松山駅に程近い立地であることから、「松山の正面玄関を大きく変貌させ、松山市の未来都市構想を〝GRAND〞に担うものでありたい」という願いも込められている。 このネーミングおよびシンボルマーク・ロゴタイプを開発したのは、清水建設や日野自動車などのロゴデザインも担当したデザイナーの飯守恪太郎氏で、昭和56年〜57年にかけて製作・導入したシンボルマーク・ロゴタイプも担当している。飯守氏は「今後のフジの中に、スーパーでもデ制服&包装紙のデザインを一新し、 ファッショナブルな空間を構築! フジグラン松山のオープンに伴い、女性従業員の制服と包装紙を刷新した。制服はEstablished Modern(拡張と斬新)をコンセプトに一つのファッション空間を構築。包装紙やショッピングバッグなどのデザインは、新しい思想性を表現するために他の百貨店・量販店とは一線を画し、高度なデザイン世界を打ち立てようとする意識を表現した。制服デザイン画案内所制服パートでも集合店舗でもない、全く新しい理想の売場構想を実現する大規模店舗展開の大きな柱として、〝グランド○○○○〞というSI(Space Identification)の世界を打ち立てられたことこそ、まさに歴史的な意義のあることだと思う」と語っている。〝GRAND〞に込めた 大規模かつ壮大なイメージPICKUP!フジショッピングスクエア駅前店が果たした役割フジグラン松山の歴史は、昭和48年4月21日に開店したフジショッピングスクエア駅前店から始まる。当時、四国初の大型ショッピングセンターとして世間から注目を集め、華々しくオープンしたが、その一方で、フジチェーン本部と物流センターを併設し、新たなチェーンオペレーション機能を確立させたことは、フジの歴史の中でも創業以来の大きな転換点と言える。また近接地に男子寮や女子寮を設けていたため、1日の大半をこの施設内で過ごした従業員も数多かった。フジショッピングスクエア駅前店(昭和50年3月)フジグラン松山のロゴマークとロゴタイプ第一章軌跡History

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