50周年記念誌
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「和・恕・忍」の経営哲学時駐車場もいっぱいとなった。 翌昭和50年、創業から約8年が経過したフジは、1、000人を超える従業員と18店舗を有する四国では有数の企業に成長していた。一方、オイルショック以降、日本経済は低成長時代へと移行し、大衆の消費行動は「使い捨て消費」から「生活防衛型消費」に転換、節約ムードが蔓延していた。加えて前年の昭和49年3月に施行された「大規模小売店舗法」により、出店規模や営業時間、日数に制限が設けられた。このような外的環境の変化に対応するために、フジでは昭和49年2月下旬から昭和50年4月にかけて「組織検討委員会」を編成し、フジチェーン全体の組織改革を進めていくことになる。座右の銘「和・恕・忍」尾山悦造筆DATA:1975年(昭和50年)■ 総人口:1億1,194万人 ■ 大卒初任給:80,500円■ ヒット曲:シクラメンのかほり(布施明)■ 映画:ゴッドファーザー PART Ⅱ■ ヒット商品:がん保険、婦人服※蘊奥:学問・技芸などの奥深いところじょ尾山悦造社長の座右の銘は「和・恕・忍」であり、これは本人の経営哲学でもある。「和」は調和、「恕」は寛容、「忍」は忍耐であるが、経済が混乱した昭和49年の社内報で次のように述べている。「戦後最大の転換期に遭遇した。(中略)だからこそ、人間問題の原点に返り、三つの課題(=和・恕・忍)の『蘊奥※』にふれ、それをとことんまで追求し、『人間』そのものを主体とした新しい観点に立つことによって、企業の持つ『社会的責任』を果たすべき」。すなわち「和・恕・忍」を貫くことはヒューマニティー(人間性の尊重)にもつながると考え、この言葉を自らの行動の規範とするとともに、事あるごとに従業員にも示した。テレビCMを初放送節約ムードが高まる中、企業イメージの向上を図るために、フジとしては初となるテレビCMを製作する。ニュース番組の月・水・金の提供枠で昭和50年4月から放送がスタートした。内容は「お近くのフジ」「明日の買い物もフジ」を強調したイメージ広告で、「厳しい品質とお値段のチェックを行い、十分なサービスを添えてお届けします」というナレーションが入っている。TOPICS当時のCMイメージ画。主婦や家族が集まる様子が表現されている。完成当時の立体駐車場。2階部分が売場とつながっている(昭和50年3月)TOPICSフジショッピングスクエア駅前店に立体駐車場が完成昭和50年3月8日から使用を開始した立体駐車場は、鉄骨造3階建4層、延床面積約4,900㎡で、駐車スペースは275台。11人乗りエレベーター2基と固定式泡消火装置を設置した。4月テレビCMを初放送フジショッピングスクエア駅前店に立体駐車場が完成3月十和創立25周年記念式典が開催5月松山まつりに初参加8月ベトナム戦争が終結4月ローソンが大阪府豊中市に1号店出店6月沖縄国際海洋博覧会開幕7月広島東洋カープがセ・リーグ優勝10月うんのう1975年︵昭和50年︶1月十和・フジ厚生年金基金の発足10月給与の銀行口座振込を開始第一章軌跡History
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