50周年記念誌
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森本岩夫専務の商売哲学関係会社の一つであったフジ青果株式会社の森本岩夫専務が11月15日逝去する。高知県での17年間の商売経験を買われ、フジ本町店、フジ湊町店の青果売場を任された。尾山謙造社長は1年ほどの付き合いだったにもかかわらず、彼の手腕と人柄に惚れ込み「状況の全てを読みこなし、打つ手はズバリズバリと決まった」と評している。また「商人の手本としたい」とし、彼から学んだという15の商売訓を社内報に掲載している。そのひとつは「商売とは売ることが全て。売りさえすれば仕入れは道が開く。まず売場をつくり、売ることに努めよう」というもので、尾山謙造社長の「商いとは売る事なり」の経営哲学にも繋がっている。TOPICSありし日の森本岩夫専務。尾山謙造社長は彼との出会いを「神の助けとしか思えない」と述べているオープン当時のフジ道後ミニ(昭和45年12月)「一、お客様あってのフジ」「一、すべてお客様本位のフジ」「一、先ずお客様へ奉仕するフジ」と記載し、〝フジはお客様のためにある〞という強いメッセージを従業員に発信した。 尾山謙造社長は社内報の年頭挨拶で「仕事の質と量を向上させ 自分に厳しく 他人に優しい 人間関係 人間愛に結ばれ お客に対するほほえみを 失わない心構えが ライバルに 打ち勝つ方法である」と従業員の心構えを示した。また「社内報発刊のことば」として、「ここに社内報が発刊される事になり、この紙上を利用することで、皆さんとの対話が、多少は出来ることになりそうで喜びに堪えない。いかに貧弱であろうとも、社内報は毎月続けて貰いたい。徐々に充実して行けばよい。発刊のことばとして強調したい事は、前述のとおり、店は、地域に貢献することが最大の目的であるという事だ。客あってのフジであり、全てを客本位に考えるべきである。そして客に愛されることが繁栄への道であることに思い到っていただきたいのである」と語っている。12月松山市にフジ道後ミニを開設フジ社内報創刊号の表紙(昭和45年1月)テーマ館のシンボルとして建造された「太陽の塔」TOPICS私たちの見た日本万国博覧会3月14日から9月13日までの183日間、大阪府吹田市で日本万国博覧会(通称 大阪万博)が開催された。フジでは9月9日~11日の日程で社員慰安旅行を実施。その後、旅行参加者による座談会が行われ、「日本人の良い意味での芸術性・感覚の良さがたくさんあるという事が、再認識されたし、人間の考える可能性というものが日本以外の外国にも感じられた」「単なる思い出にしてとどめるに終わらず、私達が日常生活において『進歩と調和』が生かされていくならば万博旅行に参加した意義があるんではないでしょうか」などの感想が出された。DATA■ 総人口:1億466万5千人■ 大卒初任給:31,510円  ■ ヒット曲:今日でお別れ( 菅原洋一)■ 映画:真夜中のカーボーイ(出典:社内報 昭和45年12月号)日本ケンタッキー・フライド・チキンが名古屋市に1号店出店11月第一章軌跡History

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