50周年記念誌
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1967-19761977-19861987-19971998-20062007-2016-1966株式会社フジを設立、念願の1号店は宇和島に1967[昭和42年]入店を待つお客様7月 昭和42年9月12日、愛媛県松山市湊町に株式会社フジが設立される。そして同年10月には1号店となるフジ宇和島店の開設が計画されていた。ところが、この年の宇和島市は大干ばつに見舞われ、川や池は干上がり、特産のみかんは枯死寸前となっていた。水不足への対策として、1日3時間の給水制限が行われ、市民はストレスを抱え疲れた表情を浮かべていた。 そんな矢先、宇和島市に待望の雨が降り注いだ。この雨を誰よりも喜んだのは、2日後にフジ宇和島店の開店を控えていた尾山謙造社長である。厳しい状況下での開店に不安を隠せない従業員に対して、「こんな危機下だからこそ、地域貢献を全面に打ち出す必要がある。儲けようなどと思ってはいけない」と説き、地域社会への奉仕が基本理念であることを示し、士気を高めていた。そんな中に降り注いだ恵みの雨に、ほっと胸を撫でおろしたことであろう。 10月6日、前日までの雨が止んだ快晴の宇和島市に、数発の花火が打ち上がった。午前10時、高らかに軍艦マーチが響き渡り、それに合わせて電動シャッターが開いた。「どうぞお入りください」。そう声をかけた瞬間、人々が続々と店内に押し寄せる。売場は瞬時に満杯になったが、人の波は止まらない。たまらず、一時入店制限を行ったが、それでも外には数えきれない群衆が待っている。フジ1号店は、こうして産声をあげた。フジ宇和島店地鎮祭松山市に株式会社フジを設立問屋機能を中心に消費者に近い小売業と、生産者に近いアパレル機能の確立をめざし「流通機能の統合化」を掲げ、小売業への進出を決めた十和は、昭和42(1967)年9月12日、愛媛県松山市湊町に株式会社フジを設立する。初代社長には尾山謙造が就任し、十和から約10人の社員が新天地・愛媛に赴任。黎明期のフジを支えた。1号店フジ宇和島店9月愛媛県松山市に株式会社フジを設立日本チェーンストア協会発足︑東南アジア諸国連合︵ASEAN︶結成8月

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